診療内容・特色
特徴
腎臓、膀胱、前立腺などの尿路系疾患に携わっています。
疾患として泌尿器癌を中心として、尿路結石、前立腺肥大症や過活動膀胱などの排尿障害、膀胱・尿道炎などの尿路感染症、女性泌尿器疾患、慢性腎臓病の治療を行っております。
診察内容
外来診察は予約を外来窓口で受け付けています。自科での検査(膀胱鏡や尿流測定など)もしています。
予約外の患者さんにつきましても、お待ちいただきますが、適時診療しております。
尿路結石は体外式衝撃波結石破砕装置(ドイツ・ドルニエ社 製「リソトリプターD」)を導入して、非観血的・無麻酔・短時間での非侵襲的手術を行っています。
慢性腎不全の腎代替両方は、血液透析を行っています。血液透析室は20台のベッドを備え、平成25年3月より透析装置を日機装社製の最新機種(DCS100NX)17台を含む、20台すべてを更新しました。
入院診療は、尿路系腫瘍の外科的治療として回復術はもとより侵襲の少ない内視鏡手術も行っています。
尿路結石症について
当院での尿路結石症症例数が年々増加するにあたり、従来から治療に使用していた体外式衝撃波結石破砕装置(ドイツ・ドルニエ社製「リソトリプターD」)に加え、2017年1月に最新の結石症治療レーザー(ドイツ・リサ社「スフィンクス・ジュニア」)を導入しました。2機の治療装置導入により、患者様ごとの症例、結石の大きさ、部位、数などに応じて最適な治療法を選択し、安全かつ確実なきめ細かい治療を行います。
尿路結石症の分類
発生した箇所によって腎結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石と分類します。
腎臓と尿管の結石は上部尿路結石、尿道や膀胱の結石は下部尿路結石と分類します。
尿路結石の95%は上部尿路結石です。
尿路結石症の症状
生じた部位によって異なりますが、繰り返す腹痛・腰痛・違和感・血尿・残尿感・発熱などの症状があります。
また、膀胱結石は頻尿の原因となり、尿道結石では尿閉(尿が出なくなること)の原因となり、腎障害や腎盂腎炎や菌血症につながる恐れもあります。
尿路結石症の治療
短期間で患者様の体から結石が無い状態(結石フリー)になるよう、患者様一人一人の病態やニーズに合わせて治療を行います。
方法としては以下のものが挙げられます。
1.保存的(薬物)治療
鎮痛剤などで痛みをコントロールする治療と水分接種と適度な運動により、自然に石が出てくることを期待した治療です。この保存的治療で緩和されない、または痛みが繰り返す場合は早急に外科的治療を行います。
2.外科的治療
A. 体外衝撃波結石破砕術(ESWL)
ESWLは衝撃波エネルギーを体内の結石に照射し、結石を砕石する治療法です。一般的には麻酔を必要とせず、破砕時の痛みも少ないので、体への負担が少ないという面でメリットの大きい術式です。ただし、破砕された結石が体外に排出されるときに痛みを生じたり、結石の位置や硬さによっては適用が不可能だったり 完全な破砕ができないことがあります。
B. 経尿道的尿路結石除去術(TUL)
麻酔科で内視鏡(尿管鏡)を尿道から挿入し、直接結石を観察しながらホルミウムヤグレーザーを用いて結石を細かく砕き、 破砕された結石はバスケットカテーテル(結石をつかむ器具)で回収します。腎・尿管のほとんどすべての部位の結石をより高確率で、より安全に治療することが可能です。出来る限り破砕した結石片も回収するので、今までより短期間で結石フリーの状態が期待できます。
このたび新規導入したドイツ製ホルミウムヤグレーザーは最新鋭の高機能品であり、出力設定がきめ細かに調整できることが大きな特徴です。
患者様一人一人の症例にあわせて、 きめ細かなオーダーメード型の結石治療を行うことが可能になりました。
C. 経皮的尿路結石除去術(PCNL)
2cm 以上の大きな結石や、腎盂内を埋め尽くすようなサンゴ状結石に対しては体外衝撃波(ESWL)や経尿道的手術(TUL)では1回の手術では結石フリー状態になることは困難であり、そのようなときにとられる治療法です。全身麻酔下で背中から穴をあけ、腎臓まで通り道(腎ろう)を作成し、そこから内視鏡を挿入し、ホルミウムレーザーなどの砕石装置を用いて結石を破砕し、体外に摘出します。結石の一によっては経尿道的手術も組み合わせて施術します。
D. その他(腹腔鏡、開腹手術)
体外衝撃波や内視鏡による手術では結石除去が困難な場合は、まれに腹腔鏡手術や開腹手術を行います。
3.再発予防
尿路結石を一度経験した方の再発率は比較的高く、再発予防が重要です。患者様一人一人の症例にあわせた飲水指導や食事指導をさせていただきます。