Iさん92歳、奥様91歳のお二人で暮らしておられます。Iさんは定年後80歳まで1週間のうちの数日地域の公民館などでコマ回しの実演をするなど地域活動をしておられました。手先が器用で細かい作業が得意であるため、ご自宅2階の作業場で紙細工を趣味として楽しみ、作品を贈与されていました。そんなIさんが、2022年6月脳梗塞を発症されました。症状は進行増悪し、右上下肢の麻痺による歩行困難、構音障害があり呂律が回らず会話もままならない状態に陥られました。それに加えて嚥下障害も発生しましたが、かろうじて全粥やトロミをつけたお茶や水は摂取できる状態に回復されました。その後、急性期治療を終え、リハビリテーション病院へ転院されました。2階の作業場で紙細工をしたいという思いを抱き1.5㎏の物を持ち階段昇降を行うなど、懸命にリハビリテーションに励まれました。奥様は毎日励ましの電話をし続けられ、約8ヶ月後には、相手から聞きなおされることも減り話も通じやすくなるほどに改善、上肢や手指の動きの抽劣さ残存も、屋内ではほぼ自立歩行まで回復され退院の日を迎えられました。私たち、訪問看護師は退院後よりご自宅へお伺いしています。退院後、初めて念願の和紙や布を使った紙細工の作品作りに着手され完成しました。私たちは、2階の作業場に上がり趣味を楽しむことができるようになられたお姿に、感銘を受け、心が熱くなりました。Iさんは「退院してみてやっぱり家が一番やと思います、まだ物が掴みにくかったり、細かい作業に物凄く時間がかかったりしてますが、もう一度こうして好きなことができて嬉しい」とうっすらと涙を浮かべて語られました。
訪問看護ステーション野の花 所長:丸山節子
病院の取組
チームで支える糖尿病治療
済生会奈良病院では
糖尿病透析予防指導を
行なっています。