平成28年度 済生会奈良病院 病院指標

内科では上位1、2番目が大腸内視鏡検査入院でした。3番目は誤嚥性肺炎で、ご高齢の方が多く平均年齢も高いです。4番目は尿路感染症、5番目は肺炎でした。肺炎に該当する症例は全体として約140症例ありましたが、重症度によってDPCコードが異なるため、症例数は分散されます。
※内科で最も多い症例は、内視鏡下で大腸ポリープを切除する症例でしたが、この集計の対象外となっているためデータは記載しておりませんが、約250症例ありました。主な診療領域は呼吸器・消化器・内分泌・代謝性疾患・腎疾患です。また、睡眠時無呼吸症候群の診断・治療を行う睡眠呼吸障害センターを開設しており、約140症例ありましたが、この集計の対象外となっているためデータは記載しておりません。

小児科では年間を通して、呼吸器感染症の肺炎や急性気管支炎が上位1、2番目となっています。3番目に多い症例は咽頭炎・喉頭炎などの風邪の症状と言われる上気道炎です。4番目に多いのはインフルエンザウイルスによる疾患です。流行期には入院・外来を問わず来院患者が多いです。5番目はノロやロタウイルスなどによる感染性腸炎です。小児科では、インフルエンザワクチンを含め、各種予防接種を積極的に行っております。また奈良県小児科の2次救急医療機関指定病院で、北和地区からの救急患者を受入れいてます。

外科で多い症例は1、2、3、4番とも大腸内視鏡検査入院です。疾患としては大腸がんや直腸がんの術後定期検査や、下血や血便などの消化器系疾患、大腸がんの診断目的で行うことも多いです。主に日帰り入院となっており、治療が必要な病変を認めた場合、当科で手術も行います。5番目に多い症例は、腸閉塞（イレウス）疾患です。保存的に治療を行い、必要に応じ胃管やイレウス管というチューブを使い治療を行います。保存的に治療しても治らない場合や、腸閉塞を繰り返す場合は当科でも手術も行います。
※外科で最も多い症例は、内視鏡下で大腸ポリープを切除する症例でしたが、この集計の対象外となっているためデータは記載しておりませんが、約100症例ありました。また鼠径ヘルニアの手術症例も約30件ありましたが、この集計の対象外となっています。

整形外科では膝関節症例が多いことが特徴で、関節鏡視下手術を得意としております。最も多いのはスポーツ外傷・障害に対する手術入院です。疾患としては、半月板損傷や膝前十字靱帯損傷です。関節鏡視下半月板切除術や関節鏡視下半月板縫合術、また膝前十字靭帯再建術を行う入院が1番2番を占めております。3、4、5番目に多い手術は変形性膝関節症に関連する手術入院です。術式によりDPCコードが異なるため、症例数は分散されます。急性期治療終了後、回復期のリハビリ病棟へ転棟して治療を継続される方もいるため、平均在院日数は全国平均と比較して少し長い傾向にあります。

眼科で最も多い症例は白内障手術入院です。この集計の対象外となっているためデータは記載しておりませんが、28年度は約170症例ありました。上位4疾患は、主に増殖糖尿病網膜症や黄斑円孔などの網膜硝子体疾患の症例です。数値が10未満のデータについては記載しておりません。

上位5疾患はいずれも手術を必要としない、保存的治療を中心とした軽度の脳出血・脳梗塞・めまい症です。急性期での治療終了後、自宅での生活を想定した日常生活動作の実際的な訓練を行い、退院後も安全に生活できることを目指し、当院回復期のリハビリ病棟へ転棟して治療を継続される患者さんもいます。いずれも、数値が10未満のためデータは記載しておりません。

泌尿器科で多い症例は、腎・尿管結石に対する手術入院です。尿道から細径の内視鏡を挿入し、直接レーザーなどで結石を破砕する手術入院が1番多いです。2番目は尿道から内視鏡を挿入し、膀胱腫瘍を切除する入院手術です。3番目以降は症例数が10未満のため記載しておりませんが、疾患としては膀胱結石や尿路感染症、尿管結石や尿管狭窄などが原因で起こる水腎症多かったです。
※泌尿器科で最も多い症例は、腎・尿管結石に対し、体外からの衝撃波を与え、結石を破砕する手術入院で約50症例ありましたが、この集計の対象外となっているためデータは記載しておりません。また前立腺がん疑いに対し、前立腺針生検法を行った症例も約30件ありましたが、この集計の対象外となっているためデータは記載しておりません。

内科で最も多い手術は、大腸内視鏡ポリープ切除術です。当院では大腸がん検診で再検査を指示され、内視鏡検査にてポリープが見つかり切除する場合も多いです。大腸ポリープはある程度以上の大きさになると、がん化する可能性が高くなります。日本では悪性新生物（がん）による死因が第1位です。大腸がんによる死亡者は年々増加傾向であり、2016年の悪性新生物での死因を部位別に見ると、第1位は肺、第2位は大腸（直腸を含む）、第3位は胃となっております。大腸がんは早期に発見できれば、比較的治りやすいがんの一つです。ポリープの段階で発見できれば、完治可能となります。入院期間は2～3日で、適応外を除き、外科的治療が必要な場合は、当院外科へ紹介し手術も行っております。2番目に多い手術は、胃のポリープやがんを内視鏡下にて切除する手術です。大腸がんと同じく、早期に発見し切除できれば完治可能となります。入院期間は術後絶食で経過観察し、再度内視鏡で切除創の状態をみるため10日前後となっております。3番目に多い手術は、胃・十二指腸の消化管出血に対する内視鏡的止血術です。4番目に多い手術は肝臓がんに対する塞栓術です。足の付け根から肝臓の動脈までカテーテルを入れ、抗がん剤を投与したり、肝動脈に詰め物をして血流を止め、がんの栄養源を絶つ（兵糧攻め）手術です。5番目に多いのは中心静脈注射用植込型カテーテル設置術です。長期間にわたる点滴、生命の維持に必要な高カロリー輸液投与のために血管の確保が必要な場合などにカテーテルの設置を行います。カテーテル設置により、苦痛を伴う穿刺を繰り返さなくてよいことや、薬剤を確実に投与できるなどの利点があります。

外科では消化器を中心に、乳腺、肛門など様々な臓器の手術を行っております。最も多い手術は、内視鏡下での大腸のポリープ切除術です。2番目に多い手術は鼠径ヘルニア（脱腸）の手術です。術後の痛みが少なく、つっぱりをなくすために人工補強材メッシュを用いたテンションフリー手術を行っており、手術も短時間で済むのが利点です。再発率は低く、術後の歩行にも支障が少ないので、短期間入院が可能です。また、全身麻酔での腹腔鏡手術も行っております。3番目に多い手術は胆嚢摘出術です。適応外を除き、体への侵襲が少ない腹腔鏡下での手術を標準術式としており、早期退院も可能です。4番目に多い手術は痔に対する硬化療法です。この治療法はメスで切ることなく、治療薬を注射で痔核内に投与し痔核を固めて小さくし、脱出と出血症状を改善します。治療にあたっては特殊な投与技術が必要なため、決められた手技の講習会を受講した専門医でなければ治療を行えません。当院には現在3名の資格医師がいます。5番目に多いのは抗悪性腫瘍剤投与のたのカテーテル設置術です。長期間にわたる化学療法（抗がん剤投与）の場合、カテーテルを設置することにより、静脈が細く穿刺を繰り返し行うことが難しい方、末梢静脈からの投与が好ましくない薬剤を使用する場合や、薬剤が漏れて健全組織の破壊・壊死を防げるなどの利点があります。

整形外科ではスポーツ外傷・障害（膝）に対する、侵襲の小さな関節鏡視下手術を得意としています。最も多い手術は関節鏡視下半月板切除術です。2番目・3番目に多い手術は前十字靭帯再建に関する手術で、靭帯再建術と再建時に使用した固定物の除去手術です。当院ではスポーツ復帰を目標としたリハビリにも力を入れています。4番目・5番目に多い手術は、変形性膝関節症に対する手術で術式は、全人工膝関節置換術、単顆型人工膝関節置換術、高位脛骨骨切り術があります。レントゲン上の変形の進行度だけでなく、年齢・性別・活動性・職業などを総合的に考慮し、一番満足していただけるできる手術法を選択しています。

眼科で最も多い手術は白内障に対する水晶体再建術です。主に日帰り、1泊2日の入院で片眼ずつ手術を行います。2番目に多いのが、増殖糖尿病網膜症や黄斑円孔などの網膜硝子体疾患に対する硝子体茎顕微鏡下離断術や増殖性硝子体網膜症手術です。クリニカルパスを活用し、計画的・効率的な治療を行っています。

泌尿器科で1番多い手術は、腎・尿管結石に対し体外から衝撃波を与え、結石を破砕する手術です。2番目に多い手術は、結石片が尿管に留まったり、尿管狭窄のため水腎症になった場合、腎臓から膀胱への尿路を確保するためにステント留置する手術です。3番目に多い手術は、尿道から膀胱へ内視鏡を挿入し、電気メスよって膀胱腫瘍を切除する手術です。4、5番目に多い手術は、尿道から細径の内視鏡を挿入し、直接レーザーなどで尿管結石を破砕する手術です。